【天使になった長男のこと(6)】出産。

前回はこちら

とりあえず緊急入院の手続きを済ませて、
MFICUでいきなりの入院生活が始まりました。

オットと母には荷物を取りに一旦家に戻ってもらいました。

入院準備は7割くらいできていたけど、
直前まで使う物とかはバッグに詰めてなくて…でもそれが一番重要。

必要なものと、ある場所を伝えて持ってきてもらいました。

まだ臨月まで日があると思って油断してた…

それ以外に、病院指定の物(弾性ストッキング、手術用腹帯)を
病院内のコンビニで買うように指示がありました。
←結局これは手術に間に合いませんでした。

 

その間に私は会社の人事部へ連絡。

入院手続きの説明の中で、
健康保険の『限度額適用認定証』の申請を早く済ませるように言われたので。

これがないと、MFICUの個室差額代や手術代(確実に帝王切開)で
恐ろしい金額を支払わなければいけないとか…

初めに入ったMFICUの個室は綺麗で広くて快適?でした。 

 

 

人事の担当さんに事情を説明すると、定時ギリギリだったにもかかわらず、
その日中に書類を郵送してくれるとのこと。
金曜日だったので助かりました。

 

19時頃オットと母が荷物を届けてくれ、
その後、ようやく入院生活ができるようになりました。

夜にもう一度NSTを。

やはりまめたろの心拍が50になったり40になったりする時があって、
その度にハラハラ、ドキドキ…

私もオットも母も、気が気じゃなくモニターをじっと見つめていました。

また140くらいまで戻ってはくるのだけど、
いつ戻らなくなるか…と思うと心臓に悪い。

ずっとモニターをつけているわけにはいかないけど、
不安な夜になりそう。

これが続くのか…眠れないな。

 

夫と母も心配しながら帰宅。

晩ご飯を食べて、21時半消灯。

0時の巡回で簡単な機械で心拍確認したが、とりあえず異常なし。

 

だいたいいつも、0時半すぎから2時台が胎動が激しくなる時間帯。

私が寝ようとすると激しく動くからなかなか寝れなかった…今ではそれが懐かしい。

なのに、2時初めにポコポコという弱い胎動があったあと動きがない…

あれ、変だな…

と思い起こしてみようとお腹を軽く叩いたりしたけど、キック返しがない。

 

3時になり看護師さんにちょっとおかしいと伝え、すぐにNSTで確認。

先生を呼び見てもらうことに。

 

先生『やはり心拍が確認できないので、緊急帝王切開で今から赤ちゃん取り出します』

 

私はこの時、今から帝王切開という事実の驚きよりも
早く赤ちゃんを出してあげたい、という思いが強くて、
『1秒でも早くお腹を切って!』とだけ思っていました。

 

前もって帝王切開の流れについて知っていたら
恐怖や緊張もあったかもしれないけど、
何の心の準備もなかったので逆によかったかもしれないです。

看護師さんに『旦那さんに連絡を』と言われ、
『今から帝王切開になったから』と夫へ連絡しました。

 

ベッドのままオペ室へ移動。

オペ室はすでに準備ができていて、慌ただしい雰囲気でした。

名前を告げオペ台に移ると、次から次に手が伸びて点滴やら血圧やら…
あっという間に麻酔をかけられる寸前。

ばっと青いシートで胸から下を隠されて、天井の手術用のライトを見ながら

『コウノドリ』で見た世界だな…

とぼんやり考えてしまいました。

そんなことが今自分の身に起こってるんだ…

 

過去に何度か手術をしたことがあり、
その度に術前はいつも凄く緊張するのですが、
今回は不思議とまったく緊張しませんでした。

でも麻酔が入ってきた時は怖かったです。

『痺れてくるか眠くなるか、どっちかが先だからね』という声を聞いた直後、

 

どんっ!

 

と急に身体が動かなくなり息ができなくなって…。

シャットダウンしました。

 

 

 

 

6月4日、3時50分。

まめたろは生まれました。

 

生まれたときは仮死状態。

その後蘇生、と母子手帳の出産の記録には書いてあります。

 

私は全身麻酔のため、その瞬間の記憶はまったくありません。

意識が戻ったのは、病室に戻った後でした。

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