【天使になった長男のこと(19)】出産後 ⑬11日め…たいせい退院。
たいせいと初めて一緒に寝た夜。
母乳を絞って、そのままたいちゃんの口に。
ずっと横顔を眺めたり、頭を撫でたり、手を握ったり。
このまま朝が来なければいいのに。
と思ったけど、しっかり朝は来てしまった。
朝1番に助産師さんから今後の母乳についての指導があった。
もう搾乳はせずに、出なくなるのを待つそうです。
張ってきたり熱を持ってきたりしたら、
圧乳したり冷やしたりしてください、とのこと。
圧乳したり冷やしたりしてください、とのこと。
もう搾ることさえできない…さみしい。
そのあと、NICUの今日の担当の看護師さんが部屋に。
一緒にたいちゃんの顔にお化粧をさせてもらいました。
人工呼吸器を固定していた両頬のテープのあとを隠してあげたかったけど、なかなか消えない。
両手を胸の前で組もうとするけど、指が小さくてはずれてしまうので、包帯でちょっと固定。
赤ちゃんでもやるんだね。
本当に旅立ってしまうみたい…。そんなの、やだよ。
退院に関する書類が出来上がるのを待ち、
12時過ぎに看護主任さんがお迎えに来る。
12時過ぎに看護主任さんがお迎えに来る。
病院を出る際、裏の出口から出るか、旧正面玄関(正面玄関の隣)から出るか、
どちらがいいかと聞かれ、私は旧正面玄関からと答えました。
どちらがいいかと聞かれ、私は旧正面玄関からと答えました。
裏からなんて、コソコソ出なくちゃいけないなんて悲しいよ。
堂々と出ていきたいと思ったから。
おくるみのフードを深くかぶせたら、
きっと生きてる赤ちゃんだと思われるだろう。
きっと生きてる赤ちゃんだと思われるだろう。
退院の時に着せて帰る予定だったラップドレスとおくるみを着せた。
天使の羽の柄のおくるみ…本当に天使になっちゃったね。
関係ないのに、この柄にしなきゃよかったと思った。
たいせいを抱っこして部屋を出ると、廊下にはNICUの担当の先生方、
看護師さんが待っていてくださいました。
看護師さんが待っていてくださいました。
そして私とたいせいを先頭に、先生方、看護師さんたちも1階までエレベーターで一緒に降りる。
昨晩、夜勤でたいせいを看取ってくれた看護師さんも。
たいせいが産まれた日も手術室から担当してくださっていたそうです。
勤務は終わったはずなのに…
『たいちゃん、きれいにお化粧してもらってかわいいね』
『うん、でもちょっと厚化粧になっちゃったけどね』
と言ったらみんな笑った。
涙より笑って、みんなにさよならしたい。
ね、たいちゃん。
みんな、たいちゃん、たいちゃんって呼んですごく可愛がってくれてたね。
『たいちゃんとミッフィーのコンビを、先生方も検査技師さんもいつも気にしてるんですよ』
『たいちゃん、NICUのアイドルだもんね』
と、よく言ってくださっていた。
最後に、カンガルーケアをした写真を貼ったメッセージカードもいただきました。
『たいちゃんのこと話したくなったら、いつでも遊びに来てください』
の言葉とNICUの電話番号。
の言葉とNICUの電話番号。
1階に降り旧正面玄関の方へ歩いて行くと、
今度は産婦人科の先生方、看護師さん助産師さんが一列に並んで待っていてくださった。
たいせいの退院のために、こんなに人が集まるなんて思ってもいなかったので正直戸惑いましたが…どこの病院でもそうなのかな?
でも、ここに集まってくださったこれだけの方々のおかげで、
たいせいは生きて生まることができたし、10日間この世界にいられたんだと思います。
たいせいは生きて生まることができたし、10日間この世界にいられたんだと思います。
車に乗り込む前に、私の主治医の先生からも言葉をかけていただきました。
夫が全員の前で挨拶をして出発。
たいちゃん、やっとおうちに帰れるね。
お家に着くまで、ちょっとの間だけど3人でドライブだね。
初めてのパパの車、乗り心地はどう?
ここにチャイルドシートつける予定だったんだよ。
たいちゃんが生まれた日に梅雨入りしたのに、今日は夏みたいに暑いよ。
でも、晴れてよかったね。
たいせいにたくさん話しかけながら、家までのはじめてのドライブを楽しみました。
家に帰ってきて、私たちのベッドにたいせいを寝かせる。
大きなベッドにころんと横たわっているたいせいは、
本当に眠っているだけみたいに見えた。
このまま冷凍保存して、ずっと手元に置いておきたいと思った。
でもそんなことしたらたいちゃんが天国に行けないね。。。
16時頃、葬儀屋さんが来る。
ドライアイスをたいちゃんの横に敷き、焼香台などをセットして打ち合わせを始める。
通夜と葬儀の日が決まった。
17日の14時までは、お家で一緒にいられるよ。
Mail Magagine
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